眠れない夜、頭の中で同じことをぐるぐる考えてしまうことはありませんか。
- あのとき、ああすればよかった
- なんで私はできないんだろう
- なんでうまくできなかったんだろう
- 私が悪かったかもしれない
こうした内省は、深く考える人ほど起こりやすいものです。
ただ、この内省は放っておくと自己否定のループになりやすい。
そこで私は、頭の中で、ある方法を使うようになりました。
それが「1人三役反省会」です。
1人三役反省会とは
頭の中に、3つの役が登場します。
- ネガティブ担当
- 白丸担当
- ファシリテーター
インサイドヘッドのキャラクターのように、それぞれが発言します。
そして私は、その議論を観察する立場で見ています。
①ネガティブ担当
まずはネガティブ担当の出番。
- 私が悪い、ここがダメ
- いつも私はできていないな
- もっとこうすべきだった
- なんであんな言い方したんだろう…私ってひどいな
とにかく言いたいことを全部言わせます。
ここでは止めません。
この段階で出てくるネガティブは、問題の種を見つける力でもあります。
違和感の検知は、たいていこの役が一番早く、鋭い。
ネガティブ担当は、
- 問題点に気づく
- 課題を見つける
- 改善点を拾う
役を担っているのです。
②白丸担当
次に白丸担当。
ネガティブ担当の発言の中から、黒の中の白丸を探します。

白丸は、根拠のない楽観ではありません。
ポジティブ至上とも違います。
例えば
- できていた部分
- どうにかしようとした過程
- 使える条件
- すでにある資源
地に足のついた冷静な視点で、
前進の支えやヒントになる芽を見つけてくれる役です。
③ファシリテーター
最後にファシリテーター。
この役は、否定もしないし結論も急ぎません。
発言権を他方からもう一方へ移し、
うまく話し出せないときでも静かに待つ。
どちらかだけの暴走の場にならないように、調整します。
そして、双方から話を聞いて、問いを出します。
例えば
- 環境を変える余地はある?
- どちらの意見も聞くと何が見える?
- 負荷の小さい修正はある?
ここで初めて問題解決の方向が見えてきます。
具体例:子どもの入学式の服
例えば「子どもの入学式に着る服がない。何を着ればいいんだろう?」という悩み。
ネガティブ担当はこう言います。
- 自分の服にお金使うなんて…
- そんなに何度も着る機会ないのに
- 太ったから以前の服が入らない
- 年齢的に似合う服が限られる
一見ネガティブで、一人で考えていると自己否定に繋がってしまいがち。
でも、実はここに条件が全部出ています。
つまり
- フォーマルは必要
- でも頻繁には着ない
- 体型と年齢の変化
ここから「高いフォーマルを新調する」ではなく
- 普段でも使えるジャケット
- シンプルなワンピース
などの現実的な選択肢が見えてきます。
ネガティブは、問題の条件を整理してくれているのです。
この方法のポイント:バランス
この方法のポイントは「三役のバランス」です。
どれかが欠けると内省は偏ります。
- ネガティブだけ→ 自己否定ループ
- 白丸だけ→ 楽観的すぎる判断
- ファシリテーターだけ→ 問題が上辺だけになる
三役が揃って、初めて、内省が建設的な問題解決に変わります。
実践イメージ

①いつも通り、ネガティブ役が溜まった反省点や自己否定をしています。
気が済むまで吐き出していると、どんどん自分を責める発言が増えてきます。

②ネガティブ役が気が済むまで、他の2人は見守っています。
しかし、自己否定が2周3周と繰り返されそうな気配を感じると…

③「ハイハイはい、全部聞いてたよ。」と白丸役・ファシリテーター役が入ってきます。

④ファシリテーター役が白丸役に次の発言権を渡します。
白丸担当の発言
「少なくとも○○をしようとしたよね?」
「それってつまり、本当はこうしたいっていう気持ちなんじゃない?」
そして、ファシリテーター役の問い。
「環境や方法を変えることで、何か改善できそうなところはないかな?」
「気軽に試せる方法って、どんな方法があるかな?」
副作用(ここ重要)
この方法を続けているといくつかの変化が起きます。
- 自分だけが我慢する解決を選ばなくなる
- 環境改善という視点が生まれる
- 自分の思い込みが見えてくる
- 問題を構造で見る癖がつく
- 自分にOKを出せるようになる
- 同じ視点で他人を見るようになる
つまり、
内省
↓
問題整理
↓
小さな改善
↓
環境改善
↓
人との循環
という流れが回り始めます。
内側から始まり、それはやがて家庭や仕事でも同じように使えるようになります。
環境改善という視点
この方法を始めて、私が最初に効果を感じたのは、ここでした。
それまでの私は
「自分が頑張れば、我慢すれば、解決する」
と思っていました。
でもファシリテーターが問い続けると別の視点が出てきます。
環境改善です。
環境改善を考えることは、自分を甘やかすことではありません。
三役全員が納得の「知的な解決策」です。
例えば、「家族が洗濯物を畳んでくれない」という悩み。
今までの私は、結局自分で全部やっていました。
でもあるとき出た解決は
「畳む収納をやめて、吊るす+放り込む収納にする」
でした。
驚くほど簡単に解決しました。
誰も畳みたくないなら、畳む収納を最小限に。
- 「家事は母親がすべき」
- 「整理・片付けはこうあるべき」
という思い込みを外すことOKを出せたのは、
3役のバランスが取れていたおかげだと思います。
思考の副作用
この方法を繰り返していると、自然に身につく思考があります。
- 陰陽(物事の両面を見る)
- メタ視点(自分の思考を観察する)
- 構造思考(問題を構造で見る)
これは特別な訓練ではなく、三役を回しているうちに自然と起きる副作用です。
また、実際にこの方法を繰り返すことによって、
1回1回の反省会で出すのは
「結論じゃなく仮説」
という感覚も腑に落ちていました。
「次は完璧にできる方法!」ではなく、
気づけば
「一度試してみて、それが自分に合っていなければまた他の方法を試せばいいだけ」
という身軽さを備えたスタンスに変わっていました。
最初はうまく回らなくて大丈夫
最初は、観察者(自分)とファシリテーターが重なってしまうこともあります。
ネガティブ役がいつまでも発言権を手放してくれないこともあるでしょう。
白丸担当が、「えっ、」と戸惑い、
話し出すまでに時間が掛かるかもしれません。
それでも構わないのです。
大切なのは、三役を回そうとすることです。
白丸担当が話すのを、じっと待ってあげましょう。
続けているうちに、少しずつ自然に回るようになります。
反省会は「終わった後の感想」の場ではなく、
修正や変更が可能な「プロセス」でしかないのです。
「自分に合わない方法が分かった」という一つのデータとして、また次の1人三役反省会に持ち寄ればいいのではないでしょうか。
今では
最初は、眠れない夜に、長時間ぐるぐる考えていました。
でも何度も繰り返すうちに
この流れが習慣になりました。
今では、ほんの一瞬で回ります。
まとめ
自己否定が強い人ほど、内省の力は強い。
ただ、その力は、バランスが崩れると自分を苦しめてしまいます。
もしその内省を
問題解決に使えるようになったら。
それはきっと、強い武器になります。




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